個人的メモ

文明崩壊


全地球規模で進行する破滅のための危機を乗り越えるために必要なものとは?


とりわけ深刻な十二の環境問題


1 自然の生息環境


世界にもともとあった森林の半分以上はすでに転用され、現在の速さで行けば、残る森林の四分の一が今後半生記のうちに転用されることになる。

世界の珊瑚礁の約三分の一が、すでに深刻な害を被っている。現在の勢いが続けば二〇三〇年までに残る半分が失われるだろう。


2 野生の食料源

3 生物の多様性

4 土壌


5 エネルギー

6 真水

7 光合成能力の限界値


8 毒性化合物

9 外来種

10 温室効果ガス


11 人口増加

12 環境侵害量


わたしの見解では、二種類の選択が、事の成否を左右する重大な要素と言えそうだ。すなわち、長期的な企てと、根本的な価値観を問い直す意思。振り返って考えると、個々の人生の行く末を見据えるうえでも、同じ二種類の選択が重要な役割を担っていることがわかる。


過去に及び現代の価値観の見直しは、苦行じみた困難を押して成し遂げられたものだ。その点が、やはりわたしの希望を後押しする。こういう事例は、現代先進国民の住人に、今迫られている根本的な見直しに踏み切る勇気を与えてくれるのではないだろうか。わたしたちの伝統的な消費価値観及び先進国の生活水準はどの程度まで保持していけるものなのか? わたしはすでに、先進国の住民に環境侵害のペースをゆるめることを強いるのは政治的に不可能だと述べた。しかし、その逆の選択肢、つまり今のまま侵害を続けていくことは、もっと不可能なのだ。このジレンマは、民主主義への批判に対するウィンストン・チャーチルの返答を思い起こさせる。「民主主義は政府の形態として最悪のものとだと言われてきた。今まで試みられたほかのすべての形態を除けばね」。その伝を借りるなら、今より侵害量の小さい社会というのは、最も不可能なシナリオだ。思いつく限りのほかのシナリオを除けば。


十五世紀のイースター島民が人口過密の内陸部にある森を農地開墾のためにせっせと破壊していたころ、彼らは何マイルも東で、または西で、ノルウェー領グリーンランドとクメール人の王朝が衰退末期にあったことを、アナサジが数世紀前に崩壊したことを、さらにその数千年前に古代マヤ社会が、その二千年前にギリシアのミケーネ文明が滅びたことを、知るすべもなかった。今日のわたしたちは、テレビや新聞で数時間前のソマリアやアフガニスタンでの出来事を知ることが出来事を知ることができる。ドキュメンタリー番組や書籍は、イースター島や古代マヤ、その他の過去の社会がなぜ崩壊したかをつぶさに見せてくれる。わたしたちには、遠くにいる人々や過去の人々の失敗から学ぶ機会があるのだ。過去のどの社会も、これほどの機会には恵まれてはいなかった。現代に生きる人たちがその希望を活かして、失敗しない道を選んでほしいというのが、本書を執筆するに際してのわたしの希望だった。